<病態>
ヒトヘルペスウイルス6型または7型の初感染による発熱を主な症状とした感染症である。生後6ケ月か3歳までの間にかかるとされていますが、1歳前後が感染のピークと言われています。感染したケースの約70%は発症しますが、残りの30%程度は不顕性感染と言って、症状がでないで感染が成立する状態があります。
感染経路としては大人の唾液から感染すると考えられています。基本的に大人はすでにヒトヘルペスに感染しているため体内にウイルスが潜んでおり、何らかの原因でウイルスが活性化したときに感染が起こり得ます。濃厚に接触する人である両親からの感染が多いと思われます。
<症状・診断>
主な症状は発熱と発疹です。9~10日の潜伏期間の後、突然38~40℃の高熱が3~4日ほど続いた後、37.5℃以下に下がった頃に躯幹・顔に発疹が出現します。
発疹は小さなプツプツとした紅斑が多く、時間経過とともにそれが癒合するようにやや大きくなります。痒みや痛みは伴うことはなく、2~3日から長くても1週間以内で徐々に消えていきます。
また基本的に痕が残ることはありません。発熱以外の症状としては、不機嫌になることが多く、高熱があるときに半分の子が、解熱してから半分の子ががぐずったりします。
下痢の出現もあり、脱水には注意を要します。また高熱が出るために、熱性けいれんを伴うこともあるため家族内に熱性けいれんを起こしたことがある人がいる場合は十分な観察をするなど注意が必要です。
咳や鼻水などの上気道症状がないのが特徴です。ごくまれに脳炎、脳症、血小板減少性紫斑病などの合併症が現れるケースもあります。
診断としては、発熱だけでははっきりしないため、経過を観察し、解熱後の発疹を認めて初めて突発性発疹と診断されます。検査を行うことはほとんどありませんが、血液中の抗体検査や急性期の血液からウイルスを分離する方法などもあります。
<治療法>
基本的には自然経過で改善する病気なので、特に治療法はなく、症状に対して、発熱には冷却したり解熱薬を投与したり、下痢には止痢剤を使用したりする程度です。脱水に対策として水分補給は重要です。
<予防/治療後の注意>
罹患中は基本的に安静にさせることが大切です。基礎疾患のある子の場合は、それが悪化しないようにするために主治医に相談することをおすすめします。予防法は特にありません。