<病態>
血液中の脂質(悪玉コレステロール:LDL-Cや中性脂肪)が多い状態、善玉コレステロール:HDL-Cが低い状態も脂質異常症とします。
原因としては遺伝的なものもありますが、脂肪分や糖質の多い食事、食事時間や運動不足など生活習慣に起因するものから、薬剤・内分泌疾患・ストレスなど様々です。
<症状・診断>
脂質異常症は自覚症状として表れにくいのが特徴で、採血により血中の脂質の状態から診断をします。
主な検査項目としては総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪になります。
それぞれ正常値は検査機関により若干の違いはありますが、
総コレステロール128~219
(mg/dl)
HDLコレステロール(善玉)40~96
(mg/dl)
LDLコレステロール(悪玉)70~139
(mg/dl)
中性脂肪(TG/トリグリセライド)
30~149(mg/dl)
となります。
これらの値が正常値から外れると、徐々に動脈内に脂肪成分が沈着していき、結果的には血管が細くなったり詰まったりする状態、いわゆる動脈硬化性変化を起こし、心臓や脳をはじめ、全身のあらゆる血管に異常をきたし、重大な病気を引き起こす確率が高くなります。
<治療法>
上記の基準値から外れたら、すぐに薬剤による治療開始というわけではありませんが、まずは食事や運動を見直していただくことが必要となります。
そのうえで、改善傾向がみられない場合、薬物によるコントロールをしていきます。
<生活における注意点>
食習慣の見直しや運動の取り組みにより体重管理などが必要ですが、辛いダイエットやストイックな運動をするよりも、楽しく続けられること見つけることが大切です。
食事の量やその内容を見直したり、間食をやめたり、通勤やTVを見ているときにできる運動など、生活の中でご自身が続けられそうな何かを、見つけて継続していくことが重要と思います。
また、定期的な健診にて血液検査をしていくことなども大切です。