疾患概要
外耳道と耳の入口から鼓膜にいたる部分を外耳といいます。外耳炎は細菌などへの感染が原因で外耳に炎症を起こす病気をさします。
外耳のどこかで炎症が起こった状態を外耳炎、特に耳の穴の中の皮膚に炎症が起こった状態を外耳道炎といいます。中耳炎と並んで、耳の痛みの原因になる病気です。
原因
外耳炎の主な原因は細菌感染ですが、真菌やウイルスも原因となることがあります。以下は外耳炎のリスクを高める一般的な要因です。
耳かきのしすぎ:
耳かきや綿棒を使用すると、耳垢(みみあか)が深部に押し込まれることがあり、炎症や感染を引き起こすことがあります。
イヤホンの長時間使用:
オンライン授業やテレワークなどで長時間のイヤホン使用により患者が増えています。
アレルギーや皮膚炎:
アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚の炎症が耳道に広がることで外耳炎が発生することがあります。
水泳:
水に潜ることが多いと、慢性的に耳の中に水が入り、外耳炎をおこしやすくします。
症状
軽症なら、耳のかゆみ程度です。症状が重くなると、耳の痛み、強いかゆみ、耳垂れ、耳の詰まった感じ、耳鳴り、聞こえにくさなどがあります。
治療
軽症の場合は自分で耳掃除をしないだけでも自然に治ります。ワセリンなどで保湿することでも、かゆみをおさえることが期待できます。
かゆみだけでは収まらない場合、細菌感染を起こしている可能性があります。この場合、ステロイド入り軟膏や抗生物質入りの薬を用います。市販でもステロイドと抗生物質入りの薬が売っていますので、セルフメディケーションも可能です。
薬を使う際は、綿棒にとり、やさしく耳の入り口に塗ります。奥まで塗ったり、こすったりすると、症状を悪化させますので気を付けます。
病院に来院された方には、点耳薬(てんじやく)が処方されることが多いです。液状なので綿棒を使わずに耳の奥まで薬液を届けることができます。
生活アドバイス
外耳炎の最も多い原因は耳そうじのしすぎです。特に指で耳の穴を搔いてしまうのは避けましょう。手は清潔でないことが多く、悪化させる原因になります。
指や硬い耳かきで耳をいじらない、耳そうじは耳の穴の入り口付近だけにとどめる、優しく触る、頻繁に行わないことを心がけましょう。耳かきを用いての耳そうじは月に1回程度で十分と言われています。
また、イヤホンの長時間使用による耳トラブルが近年増えてきています。耳の形に合うイヤホンの使用や長時間使用を避けるようにしましょう。