概要
水痘とは、水痘ウイルスによる感染症で、一般には「みずぼうそう」として知られています。2歳から8歳の小児によく見られる疾患です。感染から10日~21日間の潜伏期間を経て発症します。
症状
38℃前後の発熱、水疱と、全身に直径3から5mm程の赤い発しんが現れます。数日にわたって新しい発しんが次々と出現し、すべての発しんが水疱となり、その後破れるなどしてかさぶたになるまで、およそ6日程度かかります。通常であれば軽症のまま治り、免疫を得ることで、再度みずぼうそうを発症しなくなることが多いです。
しかし、成人が感染した場合、症状が重くなることがあり、髄膜炎や脳炎などの合併症の頻度も高くなります。また、治癒後も水痘ウイルスは体の中に潜伏していて、何年も経過してから「帯状疱疹」として再発することがあります。
感染経路
感染した人の唾液やくしゃみなどの飛沫を直接吸い込むことで感染する飛沫感染と、水疱などに触れることによる接触感染があります。発しんが出現した2日前の段階から、すべての水疱がかさぶたになるまでの間、他者に感染する可能性があります。
治療
基本的には、自然に治っていく病気なので、自然治癒が期待できる場合もあります。治療を行う場合には、抗ウイルス薬を使用することで症状が緩和され、発しんがかさぶたになっていきます。発しんが出てから48時間以内に内服を開始するのが効果的です。
予防
水痘ワクチンによる予防接種が効果的です。2014年10月より、定期予防接種になっていますので、乳幼児には必ず受けさせましょう。水痘はワクチンを接種することで予防できる疾患、すなわち「VPD:ワクチンで予防可能な病気」の一つであり、ワクチン接種をすることが非常に重要です。