子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。原因としては、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によっておこります。

進行すると骨盤の中のリンパ節に転移したり、靱帯を伝って広がったり、また血管やリンパ管を通って子宮から遠い肺などの臓器に転移したりすることがあります。

子宮の入り口付近に発生することが多いので、婦人科の診察で観察や検査がしやすく、発見されやすいがんですが、まれに子宮頸部の粘膜下で広がるタイプもあります。また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよいがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要です。

子宮頸がんは、正常な状態からすぐがんになるのではなく、異形成といわれる、がんになる前の状態を何年か経てからがんになります。異形成の時期では症状がなく、出血や痛みもありません。
 
症状が進行すると、月経中でないときに出血したり、膿のようなおりものが増えたり、水っぽいおりものや粘液が多く出てきたりすることがあります。さらに進むと下腹部や腰が痛んだり、尿や便に血が混じったりすることもあります。少しでも気になる症状があるときは、ためらわずに早めに婦人科を受診しましょう。

子宮頸がんは、がんの進行の程度や体の状態などから治療方法を検討しますが、がんになる前の状態でも治療を行います。治療には、手術を含む外科治療、放射線治療、薬物療法があり、これらを組み合わせて行うこともあります。

治療後は、治療後の合併症・後遺症の早期発見、再発や転移の早期発見、早期治療のため、定期的な検査が必要となります。
規則正しい生活を送ることで、体調の維持や回復を図ることができます。禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動など、日常的に心がけることが大切です。最後に子宮頸癌の最大の予防は、HPVに感染しないようにすること、すなわち子宮頸癌ワクチンを接種することとになります。

子宮頸癌ワクチンは、感染を予防することはできても、感染してしまったウイルスを排除することはできないので、性交渉をする前の年代でワクチン接種をすることが最も効果的と思われます。


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症状として、 おりものの量が急に増えた、おりものに血が混じっている、性行為のあとに出血がある、生理以外の出血が続いている、下腹部がずっと重い感じがする、足の付け根が痛む、腰が痛い状態が続いている、生理が不規則になってきた、出血がダラダラと止まらない、疲れやすくなった気がする、トイレが近くなった、排尿時に違和感がある、便が出にくくなっている、体重が急に減ってきた、足がむくみやすくなってきた、貧血気味でふらつく、発熱が続いている、夜に寝汗をかくようになった、背中に鈍い痛みを感じる、性交時に痛みがある、 が出るなどがあります。
症状に関する関連用語として、 子宮頸がん、ヒトパピローマウイルス感染、高度異形成、異形成上皮、子宮頸部上皮内腫瘍、CIN1、CIN2、CIN3、扁平上皮がん、腺がん、子宮頸がん検診、HPV検査、細胞診、コルポスコピー、円錐切除術、子宮全摘出術、放射線治療、抗がん剤治療、免疫療法、HPVワクチン接種、定期検診 等があります。